官能小説家 官能小説

渡辺淳一は官能作家か? 文学における官能

いわゆる「官能小説の猥雑さ」と文学が表現する「エロス」。

この二つは人間の性愛を描いている点で似ている感じがします。

しかし少し冷静になってみて比べてみると、やっぱり似て非なるものでもあります。

両者は一体どこが違って、どこが似ているのでしょうか。

渡辺淳一は官能作家か?

もともと医療現場の不正を小説仕立てに書き込んできた渡辺氏が、徐々に整形外科医独特の冷徹かつ「牡的」な思考の強さもあってか、女性の肉体や心理を「解剖していく」小説を量産していく。その筆致の巧さの一方、構成の杜撰さが新刊を出すたびにかならず指摘される。

文学賞の審査員をしている中で、渡辺氏は、若手作家のどんなジャンルの作品にも、 人間描写が足りないことを、すぐに「官能体験および情報の欠如」の方向に持っていくのは有名な話。

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官能小説の線引きはどこにあるのか

作家にとって官能描写は、誰しも一度は書いてみたい!! もの。

石田衣良の新刊は本人いわく「初めて本格的に官能小説に挑戦した」そうな。

はたして、どう書くと文学で、どう書くと(いわゆる専門ジャンルとしての)官能小説になるか?  じつは非常にムズカシイ問題でもあります。

純文学作家出身の川上宗薫の、30年近く前に書かれた「官能小説」の濡れ場の描写は、 もはや現在では、純文学作家ですら書かないほど「インパクトが弱い」という事実。

濡れ場の回数が問題か

官能小説はただ濡れ場の連続で良いかというと、それは大きな勘違い。 ちゃんと物語があり、人間が描けていて、はじめて男女はわぐわえる……のですが。

この「人間を描く」という言い方は、どのジャンルの作家にとっても厄介なテーマ。

男女が(レズでも構わないが)出会い、いろいろあってわぐわう。そこにはあらゆる心理的、肉体的な手練手管が不可欠で、必然的にそこに人間の性癖、業、生き様が姿を現す。

したがって、ある意味、もっとも「人間を描く」ことに精通していなければ、書けないジャンルが官能小説だともいえる。

「人間を描く」

だから多くの作家が、一度は書きたがる。

     ↓

この心理と、「日常的に官能小説を量産する」官能作家の心理との違い?

文学の描き出すエロスと、いわゆる【猥本のごとき】官能小説とは、 どこがどう違うのでしょう?

はたして、どう書くと文学で、どう書くと(いわゆる専門ジャンルとしての) 官能小説になるか?

じつは非常にムズカシイ問題でもあります。

 

「愛の流刑地」渡辺淳一(著)

「失楽園」渡辺淳一(著)

「爽年」石田衣良 (著)

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