抽象的な答えになってしまいますが、私の場合は、まず、今なぜ自分はその作品を書こうと決めたのか? その「?」に対して、明確な答えを、自分の中に探ることから始めます。
物語を作る上でいちばん最初にすべきことは?
設定をもとに物語を作っていく
花園乱で書いてきた官能作品の場合は、最初に編集部から、今回書かされるネタというか設定が与えられます。「女子高生を主人公に」とか、「兄と妹の近親相◯で」とか「教師とヤッちゃう男子生徒で」とか、
そのネタ(設定)をいったん自分の想念の中で泳がせ、胃に流し込んでじっくり咀嚼して、ウ◯コとして出てくる「こんなストーリーはどうだろう?」という粗筋やらアイデアをもとに、主人公はこんな人間、絡む相手はこんな人間、出会う場所はどこで、二人はこんな状況に陥り、そこで事件が生まれ……。
あーだこーだ、自分の頭の中で物語をこねくり回すわけですね。この作業が、一番楽しくてしんどい時間です。すぐに物語が構築できれば楽ですが、たいがいは、〆切りぎりぎりまで、ウンウンダラダラ、悩み続けますねぇ。
で、「よっしゃ、これでいこう!!」と決めてからの、実際の執筆は、自分でいうのもナンですが素早いですね。あっという間です。
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「本当」と「虚構」の兼ね合い
私はいま、勝沼紳一名義で、私小説風の作品を書き続けていますが、この場合は、ちょっと事情が変わります。私小説ですから、あらかじめ物語になりそうなネタは、私の中に眠っています。でも私小説はドキュメンタリーじゃありませんから、本当のことの中に虚構がにじみます。その「本当」と「虚構」の兼ね合いが、作家の腕の見せ所なんですが(笑)。
自分の中にあるネタのうち、今回の作品ではどれを用い、どこを虚構で膨らませるか? ここから先は、花園乱作品と同様、いったん自分の胃袋で咀嚼させ、出したウ◯コの臭いや形状を確かめながら、この先、実際に「その物語」を書き進めるか? やめておくか? 決めます。
すぐに書き出さない
どちらにしても、いくら面白い物語が思い浮かんだからといって、すぐに書き出さないことですね。まずその「想い」を飲み込んで、胃で咀嚼させてウ◯コを出す。そのプロセスを経ることで、あなた作品はぐ〜んと「厚み」を増すはずです。