小説家は1日にどのくらいの量を書くのか?
どのぐらいの量を書くか。
んー、どうでしょう。
書いているジャンルにもよるでしょうね。
参考までに私の例を紹介しましょう。どのくらいの量を書くのか、目安になると思います。
作家は、一日にどのくらいの量を書くのか
400字詰め原稿用紙換算で、ひと晩70枚が最高記録
小説家の方は、一日にどのくらいの量を書くのしょう?
純文学作家は、昔も今も、1行書いては消し、1行書いては消し、をされているだろうし、売れっ子エンタメ作家は、年に数冊も長編描き下ろしの単行本を出版しないといけないので、ひと晩に(400字詰め原稿用紙換算。以下同様)100枚ぐらいは楽に書き飛ばさないと、とても締め切りに間に合わないでしょう。
で、私の場合ですが、花園乱の筆名で書き飛ばしている頃の、最高記録枚数は、たしか「ひと晩に70枚前後」だったと記憶しています。描き下ろしの長編400枚程度の作品の、後半の200枚を、3日間でアップしたはずでしたから。
私は放送ライター、雑誌ライター上がりの作家ですが、小説作品ではなく、いわゆるライター仕事の、取材モノなどのベタ記事原稿だと、私の筆はもっともっと速いですよ(笑)!!
現在でも、1時間に2~30枚は行けちゃいますから。
どんなジャンルの仕事もそうでしょうが、若いぺーペーの頃は、体力勝負の部分以外、なんら評価はされないものです。
私なんかも、さまざまな雑誌編集の現場で、「(筆は)速い(ギャラは)安い、加えて(若手の書き手の中では、そこそこ)上手い!!」と吹聴していたものです(笑)。
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中身のクオリティが大事
でも、当たり前ですが、(原稿は)速けりゃいいってもんじゃない。中身のクオリティが高くなければ、本末転倒です。
次第に速さへの挑戦よりも、中身のクオリティの追求に、自意識が傾いていきます。
今までなんてことなくスラスラ運んでいたはずの筆が、ある時、なぜか急にぴたりと停まり、どうにもこうにも原稿が先へ進まなくなったりします。
加えて、加齢とともにめっきり持久力も萎えていき、徹夜でウン十枚の原稿を仕上げることが、物理的に不可能になってきます。
締切前なのに書けない
かといって、原稿の締め切りが、この世からなくなるわけもありません。
「あと数日のみで、残りの原稿をすべてUPしなけりゃならない」という局面においても、まったく書けない。いや、何を書いても「違う!!」と思えてくる。
そんな状況であろうが、編集者はまるで頓着してくれません。早朝だろうがな夜中だろうが、平気で連絡をしてきて、冷酷な声で「原稿の進み具合は?」と問い詰めてきます。
つい、……悪気はないけれど、本当につい、「いや、もうほとんど上がってるんだ。あと数時間でエンディングね。大丈夫、なんら問題ないよ」なんて嘘を、苦しまぎれについてしまったりするんですね。
いや、けっして嘘じゃないんですよ。ウン十年前、かる〜く「ひと晩70枚前後」を書き上げていたのは事実なのだから。オンタイムでその「記録」を具現化するだけの体力、気力が、やや萎えかけてきただけ、のことだから(笑)。
